中央アルプス越百山(2613M)〜空木岳(2864M)縦走

7月30日(土)〜31日(日)
L:磯部S、福嶋



7月30日(土) 雨時々曇り

本州に等圧線が一本しかかかっていないという天気図。
大崩もなく晴天も期待できないが、まあ梅雨に戻ったと思えば許せる不安定な天候だった。

伊奈川ダム奥のいつもの駐車場で仮眠。明け方やってくる車の音で眠れず、5時に起床6時出発。
林道を40分ほど進めば、登山口の福栃沢に出会う。ここから今日は丸一日登り続ける行程だ。

水量豊かな上の水場で、明日までの水をプラティパスに詰め込み、合計4Lが肩に食い込む。
福栃山直下で左にトラバースし、少し下って越百小屋に着く。曇りから小雨となり雷注意報も出ていたため、
ガスで真っ白な越百山方面をぼーっと見ながらここで停滞するか迷う。明日の天気もはっきりしないが、
福嶋さんが行く気力満々のため、行けるときに行こう!と先に進むことにした。

越百山までは地図上よりも遠く感じた。一瞬の雲の切れ間に青空も見えたが、森林限界を越え、
合羽を着たり脱いだりしながら緩い登りの主稜線を北に向かう。
花崗岩のザレとハイ松の中に隠れた登山道だ。右に左にトラバースし、なおかつガスで先が見えないため
うっかりすると正規の道から少し外れてしまう。もちろん主稜線を進むということでロストすることはないが、
気をつけないと時間を少しロスしてしまう。

    
  2150m辺りの上の水場(左下に50m)、大量。           越百山から北へ、ガスの中の主稜線。
   
大岩がいくつも近づいてくると、仙涯嶺が近い。名前ほどの岩場ではないが、くさりや切り立った絶壁のトラバースなど、
景色もなくたんたんと登る変化のない時間を過ごす中では、ちょっとしたアクセント、刺激にはなる。
後半は岩場の左をトラバースしていく。
福嶋さんが、先週の山行疲れでペースが上がらず夕暮れが近づき、ロング歩行となってきた。

    
      仙涯嶺の岩場。ちょっとアスレチック。         水滴がついてより可憐なミネウスユキソウ

南駒ヶ岳は手前で東斜面をトラバース、お花畑がすばらしい。なかなか尾根に戻らないなあと思っていたら道が無くなる。
10数mほど強引にハイ松の中を登って尾根に出たらすでに下降路になっていた。
時間も遅くなっていたため戻ってのピークハントはパス。

    
   南駒ヶ岳に向かう。所々平坦なザレ地がある。              お花畑と奥に摺鉢窪避難小屋。

本日の宿、摺鉢窪避難小屋がガスの切れ目から一瞬右下奥に垣間見て安心する。
コルまで下って右に折れ、斜面すべてがお花畑の中を150m標高を下げ、
スイスアルプスの草原にたたずんでいるような山小屋に到着。
すでに2パーティーが食事を済ませ、寝袋に入っていた。水は天水か、入り口左のタンクの中にあり、
他パーティーが使っていたが常時期待できるか解らない。我々は静かに食事を済ませほどほどに小声で宴会をし、寝た。

<タイム>伊奈川ダム駐車場6:00-福栃沢登山口6:40-越百小屋10:45〜11:15-越百山13:00-仙涯嶺15:00-
南駒ヶ岳直下17:00-摺鉢窪避難小屋への分岐(コル)17:40-摺鉢窪避難小屋18:00

      
7月31日(日) 雨時々曇り

主稜線まで登り返すのが精神的にきついが、花に囲まれがんばる。コルに達すると空木岳方面が見渡せられ、
奇跡的に天気は極上か!と思わせたがやはりあっという間に暗くなる。
細かいピークを越え、あるいは巻きながら少しずつ高度を稼ぐと、やっとガスで何も見えない頂上である。
池山尾根から来る登山客は、天気のせいか少なかった。

    
勇壮な空木岳。最初で最後の遠望だった・・。   ほとんどの時間帯はこんな景色。幾つも(緊急)テントサイト有り。

土砂降りのなか木曽殿越までぐんぐん下る。3000m近い高度でのひどい雨は久しぶりで、半袖シャツに雨具だけだと少々冷えた。
コルにある木曽殿山荘からは西に折れ、長い樹林帯の下りとなる。
すぐに木曽義仲の力水という水場があり、豊富な水量で満たされていた。

北沢に一気に下ると、少々不安を覚えるつり橋を渡る。そこからまた数十m上がり、
笹の道をしばらく進むとうさぎ平となり、2時間弱林道を歩くと駐車場に戻った。大周遊コースであった。

<タイム>摺鉢窪避難小屋6:00-コル6:30-空木岳8:20-木曽殿越9:40〜10:10-北沢吊り橋12:30-うさぎ平14:00-
伊奈川ダム駐車場15:20

                                                以上磯部記。