雨が心配されたが、運よく空が持ちこたえてくれ、暑くも無く快適な山行となった。
登山口である天生(あもう)峠には、白川郷からの国道は雪は解けたものの土砂崩れで入れず、河合村から向かう。
こちらのルートも通行止めになることがあり、事前の道路状況の確認は必須である。
広々とした駐車場を出発、自然保護のための協力金500円を払い入山。ここは、天然林、湿原
など植相が豊かで、高山植物の花もたくさん咲いていて自然探勝には最高の山域だ。また、ブナ、カツラの
大木が林立し、まるでトトロの森に迷い込んだようなちょっと不思議で心地良い気持ちにさせられる。
整備された緩やかな登山道を進むと、直に天生湿原だ。残念ながら水芭蕉の白い花はもう無く、巨大化した
葉が生い茂っていた。立ち止まっては写真を撮り、花の観察に熱中し、ゆったりとした時間を過ごす。
カラ谷に入るとさらに左右の斜面から緑が生い茂り、グリーンシャワーを堪能した。谷をつめ、コルから右折。
ここからは、そこそこの斜面となり”登山に来たんだ”という実感が初めてわく。
何カ所かで、”頂上は狭いので、休憩はここらで”のような珍しい看板があり、この山の人気度がうかがえる。
木の階段がついた急登をひと登りすると、展望が開け、確かに狭い岩のトップとなる。
南西には、春の雪山で到達できなかった猿ヶ馬場山が、白から緑に移り変わってたたずんでいた。
岐阜県北部地域は、四季折々の表情が豊かで、かつ山深いため人の波にもまれることも少なく、大好きな山域だ。
下りは谷ではなく、その東の笹尾根をのんびりと下る。しばらく行くと木道のあるかわいらしい木平湿原があり、
モウセンゴケの群落が見事だ。ブナの巨木に囲まれながら下っていくと、ぐるっと回って天生湿原に戻る。
4,5時間のコースタイムを7,8時間かけたが、ここはそうでなくちゃ意味がないかも!と断言できる
自然を楽しめるコースです。次はきっと見事な紅葉の季節に訪れたいものです。
<タイム> 天生峠P7:55ー頂上11:35〜12:10ー天生峠P15:35
緑のトンネルと整備された木の階段 天生湿原 コバイケイソウの群落
残念! 白い花が散ったミズバショウの群落
ギンリョウソウ たくさん見つけました(この下には?) カツラの巨木群
キヌガサソウ サイハイラン
ショウキラン
以上、磯部S記