八ヶ岳縦走

2010年12月30日(木)〜2011年1月2日(日) 磯部S


12/30 女神茶屋7:10ー蓼科山頂10:40−女神茶屋12:40

メンバーと日程が合わず、単独で八ヶ岳全山縦走を試みる。ザイルを使用しない雪山だ。天候は残念ながら悪化傾向。
まずは第一歩となる蓼科山をめざす。下部で20〜30cmほどの積雪。トレースは降ったばかりの雪でかき消されている。
上部で40〜50cm、アイゼンをつけ、つぼ足で上り詰めると森林限界を超えいきなり強風と雪の広い岩稜となる。
視界は10mほどしかなく、くじけそうになるが、ポールが道標となり安全が確保されているためまぢかの山頂を目指す。

本来ならここから遥かかなたの赤岳を望み、山旅を貫徹するぞと闘志をもやすはずが、なえる。登頂の記録写真を撮り、
それでもと、めざす双子山へと続く東への稜線に下降を試みるが、ももまでもぐる新雪、視界10mの恐怖、単独・・・。

即、撤退を決める。下りながら、今後の行動を練り直す。結局、北八ヶ岳をパス、ほぼ中間地点の天狗岳から
南下することにする。白樺湖畔の日帰り温泉で元気復活。驚いたことに駐車場に戻ったら車は真っ白。
風呂に入った後に雪かきをする羽目になるとは初めての経験。もうひとつ登ったし帰ろかな〜、やっぱ冬山の一人は寂しいな〜
とか、くじけそうになるが、ふんばる!最終到達点である観音平の近くの小淵沢の道の駅まで移動。車中2泊目となる。 

          
         視界なしの蓼科山頂、めげる・・     新型目出帽!口のところがメッシュで眼鏡が曇りにくい


12/31 観音平の南駐車場ー小淵沢駅=茅野駅=渋の湯11:50ー黒百合平14:00

早朝、車をデポし、かっこいい甲斐駒ケ岳を目の前に見ながら1時間ほど小淵沢駅まで歩く。そこから中央線で茅野駅まで移動し、
バスで天狗岳の登山基地である渋の湯まで移動する。臨時便が出るほど登山者は多く、冬の北八ヶ岳の人気がうかがい知れる。

そこからは、緩やかな斜度の樹林帯の中、側溝状の快適トレースを登りつめ、黒百合ヒュッテ前の黒百合平テントサイトにたどり着く。
積雪40〜50cm。ほとんどの登山者がヒュッテに吸い込まれる中、フライも無いテントに潜り込む。15時にて−14度。
夜はどうなっちゃうんだろう?と不安を抱きながら年越しまるちゃんのきつねそばをあっという間に食べつくし、
することもなく話す相手も無く、18時にはシュラフに潜り込む。
寒くて眠れない大晦日の長い夜が続く。

          
黒百合平 オレンジ色がマイテント 標高2400m      悲しい冷凍庫テント内。動くと霜が降る・・・・


1/1 黒百合平7:30−天狗岳8:50−夏沢峠9:50−硫黄岳11:20−赤岳天望荘13:50

アイゼンを着けて出発。樹氷がすばらしい。天狗岳までは登山者も多いが、そこから南下するものはほとんどいない。
相変わらず曇りで視界は50mほどしかなく、先が見えない。
ただ、植生保護のポール、ロープなどで道筋ははっきりしているため不安も無く、先に進む。天気は回復傾向。

根石山荘を過ぎ、登って樹林帯に入ると環境は一変し、夏沢峠先まで風の無い快適な雪の側溝登山道となる。テントも設営可能なスペースが
そこそこあった。硫黄岳への登りは森林限界を超え、広い尾根となる。視界は相変わらず悪いが、大きなケルンが30〜40m毎に
あり、8,9個目あたりでただっぴろい山頂となる。ここで元気な若者グループに出会い、人の温もりに寒さを忘れる。

時折切れるガスの中、めざす横岳方面を確認し南下。硫黄岳山荘を通過し、いよいよ本日の核心に突入する。
もちろんザイルを使うほどではないが、やせた尾根の細かい上り下り、雪壁のトラバースなど、
やっと高度感を感じるアルパイン的なルートに遊び心が満たされる。

天望荘は快適で、体力回復に大いに役立った。昨晩とはまさに地獄から天国である。夕食は果物・生ハムを含めてバイキング!ワイン飲み放題。
人が少なかったため個室のベットでゆったり寝ることが出来た。なんとふとんで下着のみで寝ることが出来る開放感!たまには山小屋もいい!

                 
北八つと天狗岳  ピストンはいる      硫黄岳 若者5人と出会う!         横岳から南下。稜線は細いがトラバースしている


1/2 天望荘6:50−赤岳7:40−権現岳11:50−編笠山13:30−観音平南駐車場16:30

強風の中、時に耐風姿勢をとりながら一人赤岳山頂に向かう。東の雲間から太陽が顔を出し、心の中で2011年の平穏を祈願する。
3000m近い雪の稜線上で、日の出が白い世界を包み込む・・・、この体験が今回の目的の一つだったためうれしかった。

赤岳を越えると風はさえぎられ、キレットに向かって急降下していく。文三郎への分岐点がガスっていたらわかりにくいし、ちょっとスリリングな
ところだ。権現岳まで誰にも会わず、古いトレースがあるのみで楽しい(単独行もだんだんと自然と同化して心が広くなるのだ)。

キレット前で樹林帯に突入、いきなりのももラッセルとなり、スノーシュー(周囲に歯のいっぱいついた、MSRのライトニングアッセント56cm長)
にはきかえる。ここ以降、旭日岳直下まで、多少のアップダウン・クラストした雪面もアイゼンに履き替えることなくスノーシューでのりきる。
腰くらいまでの強ラッセルでは取り回しが悪いため、ワカンがいいと思われるが、
今回はスノーシューの威力に感動、想定時間より早く抜けることが出来た。

長い鉄はしごを登り切ると、権現岳の頂上。いよいよ縦走もラストだ。思ったよりも雪深い尾根をどんどん下り、やがて青空となる。樹氷が美しい。
編笠山への登りは疲れた体に根性だったが、登頂したときには思わず「やったー!!」と叫んでしまった。ここからは高速道路、そこそこの
人がピストンしているようだ。のんびりくだって、日が落ちる前に駐車場に着いた。

          
赤岳山頂から権現岳方面を望む。あの向こうまで1日・・       青年小屋前の、見事な樹氷、ほれぼれ!


以上