11/3(土) 晴 8:25 伊那市長谷市野瀬 孝行猿資料館駐車場 資料館の管理人に許可を得て駐車場に止めさせてもらう。 駐車場からは塩見岳が綺麗に見える。 9:01 孝行猿の碑 駐車場から林の中を700m程で到着。 小さな祠と猿を表す石碑が置かれていた。 登山道には人が歩いた形跡は見られない。 9:44 作業小屋 市野瀬からの林道と交差する地点に、伐採作業者用の小屋あり。 11:02 田城原高原ルート合流点 作業小屋から林の中を進み、林道をしばらく進むと田城原からの 林道とぶつかる。広い駐車場のようなところで一本取る。 田城原からだと1時間程短縮できる。しかし、先週雨の中を田城原 への林道を探ったが、私の車では難しそうなため市野瀬からのコー スが無難である。 12:08 松峰 なだらかな尾根を東に向かい、方向を南に変えて松峰の西側から南側 に大きく巻いて進む。2080mのピークは踏まない。このトラバース道は 道幅が狭く雪が着くと厄介そうである。 13:30 松峰小屋分岐 長いトラバース道を東から南に向きを変え、2087mのピークを越えて、 東に向きを変えその先の小さなピークを越えて下ると松峰小屋分岐の 看板がある。下山時にもわかるように上下方向別に2枚が掲げられている。 ここまで5時間、冬山装備の荷物は肩、腰、足に堪える。小屋までの100m が長く感じられた。 13:35 松峰小屋 小屋は尾根上のシラビソの常緑樹林から唐松の黄色い林に変わった地点 にある。西向き中央にアルミサッシのドアがあり、東側に小窓が一つある。 中央の通路にいろりがあり、両脇の板敷きに20人ほどは泊まれそうである。 柱に「水場はこの南下の沢」とあるが沢は涸れていた。 もっと下ればあるのかもしれない。 時間は早いがこの先には泊まれないため、計画通りここで今日の行動を 終了し、シュラフを広げ夕食まで一眠りする。2000mはあるため、とても シュラフなしではうたた寝できない。 17:22 消灯 小屋は日が落ちると急激に寒くなり、食事を済ませ焼酎も適度にまわって シュラフに潜り込んだ。もう寝るしかない。まだ、5時22分・・・・・ 11/4(日)晴 5:11 起床 もう、こんな時間。先程まで夢ばかり見ていてまだ1:30かと思っていたら・・・ 朝食を済ませ明るくなって6:23出発。寒い。遅くとも11:00には山頂に着かないと 暗くなってしまう。 7:02 地蔵岳 小屋から約350mの登り、朝はキツイ。地蔵岳の北東斜面をトラバースして 進む。頂上は踏まない。トラバース道は倒木が多く歩きにくい。 7:45 ○×地蔵 2400m付近のピークに首のない地蔵と看板があった。相当古い物らしく、 木製看板の文字は消えていて判別できない。 9:27 雪 2500mを越えたあたりから雪が見え始め、2736mピークに向かう北西斜面 は真っ白になってきた。久しぶりの雪道を慎重に進み、ピーク手前の見晴台の ような所にでる。目指す仙丈は見えないが、仙丈から続く、大仙丈ヶ岳、塩見岳、 中央ア、北アは綺麗に見える。 10:08 熊の足跡 ハイマツの中の雪道を進み、2900m付近の甲斐駒と馬ノ背が見渡せる広い 尾根にでる。雪の上に何かの足跡がある。人にしては小さいが、私の手を軽く 握った程の大きさである。熊だ・・・・・・・。熊の足跡を追って斜面を進むが、 雪の斜面のトラバースに身の危険を感じアイゼンを付ける。 10:40 仙丈ヶ岳 斜面を登り切って正面真下に真新しい仙丈小屋が見える。ソーラーパネルが 黒く輝き、人影が見える。右上に目指す山頂。鋸も甲斐駒も間近にある。仙丈 は白いが鋸と甲斐駒は赤茶色のままである。 アイゼンの感触を楽しみながら小さな雪稜を越え、初登頂の堀田さんに先頭を 譲り、山頂に立った。 仙丈ヶ岳からの眺めは最高である。日本の3000m超の山はすべて見えると 言っても過言ではない。 11:03 下山開始 北沢峠からの登山者と喜びを分かち合い、パノラマをひとしきり楽しんで下山 開始。コースタイムで6時間、ノンストップでも17時を過ぎてしまう。 14:10 松峰小屋 朝方凍っていた雪も解け、快調に下山。ここまで3時間、あと残り3時間。 小屋にてデポした荷物をザックに詰め込み、100m登り返して再出発。 まだ、14:30。17:00には確実に暗くなる。 16:12 田城原高原分岐 松峰の長いトラバースを抜け、田城原高原への分岐にでた。太陽は西に傾き、 中央アルプスにまさに飲み込まれようとしている。行動食を詰め込み出発する。 ここからはしばらく林道歩きが続く。薄暗い中では林道はありがたい。 17:00 作業小屋 林の中はほとんど見えない。小屋の前でヘッドランプを着ける。久々の残業だ・・・・ 17:30 孝行猿の碑 ランプにてわずかな赤テープと踏み跡を頼りに下る。広い斜面にでると方向が わからない。ふと目の前に祠が現れる。孝行猿の碑だ。この下からは林道がある はずであるので、林道を下ることとする。 17:40 孝行猿資料館駐車場 林道を1kmあたり。集落の街灯が見えてきた。着いた。 駐車場の管理人に挨拶をして、戸台の仙流荘へ飛び込む。 この温泉は22:00まで開いていて残業組にはありがたい。 仙丈ヶ岳に続く長い尾根に挑戦した。コースタイムで16時間、 夏であれば空荷で日帰りも可能であろう。登山道もわりとはっきり しており、一部の倒木帯を除けばほとんど問題ない。 このルートで全く人に会っていないのは残念である。 クラッシックルートと呼ぶにはもったいない。まだまだ多くの 登山者に利用してもらいたい快適な尾根である。 以上 和利