8月11日(晴れ) 定刻よりも早い6:40に出発した東海フォレストの送迎バスに乗り牛首峠へ。 峠のすぐ下が赤石沢、水量は多いものの、渡渉が困難な程ではない。 早速現れた淵は、それまで見たこともない程に大きく深い。 ただ、滝から落ちる水量が多くなく、淵を泳いで落ち口に取り付くことは可能で、 細引きで確保されながら泳ぐ。 10mうねり滝までは、両岸が切り立ち、巨大な淵と5m未満の滝が連続するが、 淵を泳ぐことを厭わなければ、それほど困難な場所は無い。 10mうねり滝を越えると、取水ダムである。 ちなみに、このダムまでくると水量も驚くほど少なく、魚道を流れるのみである。 魚道を登りダムの堰に立ち記念撮影。 ダム湖を10mほど泳ぎ後半戦スタート。 が、ここからは渡渉ポイントを探すのに苦労するほどに水量が増す(入渓点の倍以上)。 ダムが無かった頃の入渓点付近の遡行困難さが想像できる。 北沢、扇の淵を越えると、いよいよ門の滝である。 流れ落ちる水量、滝壺、轟音の迫力に圧倒される。 門の滝は右岸を巻く。 1.まず踏み跡のしっかりした草付きを登り、右岸から流れ込む支沢のF1上段まで進む。 2.その段でザイルを出し、10m程の垂壁を登る。 3.登り始め、すぐにハーケンが打ってあるので、支点とする。 4.登り切ったバンドにはハーケンが2つ打ってある。ここでセカンドのビレイを しても良かったが、さらにその先の10mの間が緩く滝に傾いた一枚岩のトラバース のため、大事をとり、トラバースした先の木に支点にビレイをする。 門の滝を越え、間も無く、本遡行の最大の難所と言われる岩穴抜け。 1.穴は人一人がようやく抜けれる大きさのため、ザックを下ろし空荷で登る。 2.穴には複数のテープスリングを連結したお助け紐が掛かっているが、これのみを 使うだけでは足は1段しか上がらない。(1段目の足を入れると、テープスリングの 輪が締まるため) 3.このため、穴の隙間にナッツをひっかけスリングを通し、ステップとしてようやく 穴を抜けることができた。 4.穴を抜けると、滝中段に出る。中段には、さらにお助けスリングが掛かっており、 そのスリングをステップに滝上部に出る。 5.滝上部には支点が2つあるので、ビレイ可能。 今回、一旦中段に2人集合し、さらに上段に登ったが、これは失敗。 次回遡行するならば、「一人が空荷で滝上段に進み、荷物を回収した後、 セカンドをビレイ」とするだろう。 穴抜けを終了後すぐ、右岸にあるビバークポイントを今夜の宿とする。 ちなみに、この場所、蒔、岩魚共に豊富。 08:00 入渓 13:00 取水ダム 17:00 A0の滝上部BP 8月12日(曇後晴れ、一時雨) BPからシンボネ沢との出合いまでは巨石帯 シンボネ上部のゴルジュは右岸を巻くが、この高巻きが曲者だった。 1.シンボネ沢のルンゼを20mほど登る。 2.すると、草付きの壁に踏み後らしきものを発見 3.踏み後はしっかりしているので、ノーザイルで登る。 4.草付きを一段上がった所からトラバース気味になるのでザイルを出す。 5.ザイルを出した位置から踏み後は上と下に進んでいるようで行き先を迷う。 ガイドブックには、ほぼ水平にトラバースとあったので水平に近い下を選択。 6.がこの選択が誤りで、一枚岩の土壁を進むことになり、木の支点は豊富にとれる ものの、細心の注意で進む。 7.が、すぐに行き詰まり、一旦上部に逃げると「沼津カモシカ」と書かれた 赤テープが木に吊るされていた。 8.そこから水平に10mほど進み大岩を巻くよう1.5m程下る。 9.下り終えたら核心は終了。 10.後は踏みあとを辿り水平にトラバースすると、対岸のスダレの滝に向かい下降する。 そこからしばらくは、ゴーロの河原歩きとなる。 竿を出し、今晩用の岩魚をゲット。 獅子骨沢、裏赤石沢の合流を越えるたび水量は減ってくる。 百間洞、奥赤石沢の合流直下の、地形図上で屈曲した箇所には立派な釜が、 その大きさ、深さとも最大だったと思われる。 百間洞に入るとかなり一気に水量が減るも(といっても、天竜筋の沢なみ) 途中、15mの大瀧が現れるが、左岸を高巻く。 1.まず左岸のルンゼを20m程登ると岩壁に突き当たる。 2.その岩壁を探すとハーケンが打っているので、支点としてザイル出す。 3.そこから緩く外傾した岩をトラバース気味に進む。 4.木やブッシュを支点をとり、滝上部に抜ける この滝を越えると、やがて源流のような渓相となり百間洞山の家に到着。 06:00 A0の滝上部BP 09:00 高巻き終了 12:00 裏赤石沢 13:00 奥赤石沢-百間洞分岐 17:00 百間洞山の家 8月13日(曇後晴れ) 04:20 百間洞山の家 07:30 赤石岳 12:40 椹島